オンラインで知り合った相手と信頼を育てたあと、「いい投資があるから、一緒に増やそう」と持ちかけられる——これが、近年増えている「ロマンス投資詐欺」です。警察庁は、これに近い手口を「SNS型ロマンス詐欺」「SNS型投資詐欺」として注意を呼びかけています。見分けるポイントは、会ったことのない相手からお金・投資の話が出るか、見慣れないサイトやアプリへ誘導されるかの2つ。どんなに優しい相手でも、この話が出たらお金を動かす手を止める——それがいちばん確かな守り方です。
最初にお伝えしておきたいのは、これは「韓国人男性が危ない」という話ではない、ということ。詐欺は国籍で決まるものではなく、詐欺師は韓国人を含め、あらゆる国籍・肩書きを装います。だから見分けるべきは相手の国籍ではなく、やり取りの中の行動です。
ここでは、典型的な流れと危険サイン、偽の投資サイトの見分け方、そして万が一お金を送ってしまったときの対処までを、順番に見ていきます。国際ロマンス詐欺全体の「型」(会えない職業設定、急に距離を縮める、早い段階でのアプリ外への誘導など)や、安全に会う準備そのものは安心・安全に出会うためにで詳しく見ています。
ロマンス投資詐欺とは——「恋愛」と「投資」を組み合わせた手口
ロマンス投資詐欺とは、恋愛感情を利用して信頼を築いたうえで、偽の投資話にお金を出させる詐欺のことです。時間をかけてじっくり信頼を育て、相手が油断したところで一気にお金を引き出そうとするのが特徴です。
警察庁は、SNSやマッチングアプリなどで知り合い、実際に会わないままやり取りを続けて恋愛感情や親近感を抱かせ、お金をだまし取る手口を「SNS型ロマンス詐欺」と呼んでいます。結婚や「2人の将来」をほのめかしながら、暗号資産の購入や架空の投資を勧めてくるのが典型です。また、見知らぬ相手がSNSのダイレクトメッセージで接触して別のSNSに誘導し、「株や暗号資産に投資すれば利益が出る」と信用させてお金を振り込ませる手口は「SNS型投資詐欺」と呼ばれます。ロマンス投資詐欺は、この2つが重なり合った手口といえます。
やっかいなのは、最初はお金の話がまったく出てこないこと。しばらくは本当に優しく、毎日連絡をくれて、将来の話までしてくれます。「こんなに誠実な人が詐欺のはずがない」と思い込んだ頃に、さりげなく投資の話が出てくるので、見抜きづらいのです。恋愛の高揚感と、「自分のために教えてくれている」という気持ちが、冷静な判断を鈍らせます。だからこそ、手口の「流れ」を先に知っておくことが、いちばんの防御になります。
典型的な流れ——信頼を育ててから、お金の話へ
ロマンス投資詐欺には、驚くほどよく似た「流れ」があります。順番に知っておくと、いま自分がどの段階にいるかに気づけます。
- 出会い・信頼構築 — マッチングアプリやSNS、語学交換などで知り合い、毎日まめに連絡をくれる。優しく、誠実で、将来の話もする。知り合ってまもなく、運営の目が届かないメッセージアプリへ移ろうと持ちかけてくることも多い段階です。
- さりげない投資の話 — 「実は投資で少し成功していて」「いい情報を教えてくれる人がいる」と、自分の成功体験としてさりげなく切り出す。押しつけず、あなたが興味を持つのを待つのが特徴です。
- 少額での「成功体験」 — 「まずは少しだけ試してみたら」と勧められ、少額を入れると、画面上では本当に儲かったように見える。試しに少し出金でき、「本物だ」と信じてしまう。
- 増額の誘導 — 「もっと早く始めればよかった」「今が大きなチャンス」と、金額を増やすよう促される。相手も一緒に投資しているように見せかけ、二人の将来のため、という文脈を重ねてきます。
- 出金できない — いざ大きな額を引き出そうとすると、「税金を払わないと出金できない」「手数料が必要」「口座が凍結されたので解除費用を」と、次々に理由をつけてさらにお金を要求してくる。最後は相手とも投資サイトとも連絡が取れなくなり、ここで初めて詐欺だと気づくことが多いのです。
国民生活センターや警察庁が紹介している相談事例・手口も、ほぼこの順番をたどっています。この流れの怖いところは、どの段階も「その時点では自然に見える」こと。一つひとつは小さな一歩なので、気づいたときには深く入り込んでいる、という構造になっています。
偽の投資サイト・アプリの、見分け方
ロマンス投資詐欺では、ほぼ必ず見慣れない投資サイトや取引アプリへ誘導されます。次のような特徴があれば、強く警戒してください。
- 相手だけが知る「特別なルート」 — 一般には出回っていない、その人(やその知人)だけが知るという投資先。まっとうな投資に「あなただけの特別な入口」はありません。
- 高い利回りを保証する — 「必ず儲かる」「元本保証で高利回り」をうたう。投資に確実な儲けはなく、保証をうたう時点で不自然です。
- 見慣れない取引アプリ・サイト — 公式アプリストア以外からダウンロードさせる、URLが少しだけ本物と違う、日本語が不自然、運営者情報があいまい。
- 画面上は増えるのに、出金できない — 残高が増えていくように見えても、いざ引き出そうとすると手数料・税金・保証金などを次々に要求される。偽サイトは数字を自由に操作できるため、「増えている」表示は証拠になりません。
- 急かす・秘密にさせる — 「今だけ」「家族にも言わないで」と、時間的に急がせ、他人に相談させないようにする。
- 振込先が個人名義・毎回変わる — 投資のお金なのに個人名義の口座を指定される、振り込むたびに口座が変わる。警察庁も、詐欺を見分けるポイントとして挙げています。
- 検索しても見つからない — 勧められた暗号資産や取引アプリを調べても、情報がほとんど出てこない。実在しない暗号資産や偽物のアプリを勧める手口も報告されています。
- 著名人や「投資の先生」を名乗る — SNSの投資広告などから、著名人やそのアシスタントを名乗る相手のグループに誘われる手口も。警察庁は、著名人が無料で投資教室を開いたり、確実にもうかる話を無料で教えたりすることは基本的にないとしています。
ひとつでも当てはまったら、どんなに相手を信頼していても、いったんお金を動かす手を止めてください。まっとうな話なら、時間を置いて調べても消えてなくなりません。急かすこと自体が、大きなサインです。
「これは詐欺かも」の危険サイン・チェックリスト
迷ったときは、次のリストで確かめてみてください。会ったこともない相手との間で、一つでも当てはまれば要注意です。
- 会ったことがない(またはビデオ通話も避ける)のに、お金・投資の話が出た
- 「一緒に増やそう」「二人の将来のために」と投資へ誘われた
- 特定のサイトやアプリへ登録するよう勧められた
- 最初は少額で儲かり、もっと入れるよう促された
- 出金しようとしたら、手数料・税金・保証金を求められた
- 家族や友人に相談しないよう、それとなく言われた
- こちらが渋ると、罪悪感を持たせたり、急かしたりしてくる
理由が何であれ、会ったこともない相手にお金を送る・投資する必要は一切ありません。この原則さえ守れば、手口がどれだけ巧妙でも、被害の入口を閉じることができます。文化の違い(連絡がまめ、愛情表現が濃いなど)は危険サインではありませんが、そこに紛れた「お金・見慣れない投資サイト」の話だけは、冷静に見分けてください。この見分けの軸は安心・安全に出会うためにでもくわしく扱っています。
なお、「ビデオ通話ができたから本人だ」とも言い切れません。警察庁は、SNS上の写真や翻訳アプリ、AIなどを使えば、誰でも他人になりすまして本人のような音声や動画を作れてしまうと注意を呼びかけています(いわゆるディープフェイク)。電話やビデオ通話で仲良くなっていても、実際に会ったことのない相手からの投資話には、乗らなくて大丈夫です。
なぜ気づきにくいのか——心の仕組み
「自分は大丈夫」と思っている人ほど、実は注意が必要です。ロマンス投資詐欺が巧妙なのは、人の心の仕組みを利用しているからで、賢いかどうかの問題ではありません。仕組みを知っておくと、渦中にいる自分にも気づきやすくなります。
- 信頼が先にある — お金の話が出る頃には、相手はもう「大切な人」になっています。見知らぬ投資勧誘なら疑えても、愛する人からの「教えてあげたい」は疑いにくい。この順番こそが、手口の核心です。
- 小さな成功体験 — 最初に少額で儲かり、出金もできると、「本物だ」と脳が納得してしまう。この体験があると、その後の増額の誘いに乗りやすくなります。
- もったいない、という気持ち — お金を入れるほど、「ここでやめたら今までの分が無駄になる」と感じ、引き返しにくくなる。相手はこの心理を見越して増額を促します。
- 孤立させられる — 「家族には言わないで」「二人だけの秘密」と、相談相手から遠ざけられる。第三者の冷静な目が入らないほど、詐欺は成功しやすくなります。
もし送ってしまったら——落ち着いて、この順番で
もしお金を送ってしまっても、自分を責めないでください。時間をかけて信頼させる巧妙な手口に、誰だって心を動かされます。大切なのは、気づいた時点で早く動くこと。次の順番で進めてください。
- やり取りを止める — それ以上お金を送らない。「取り返すために、もう少しだけ」という誘いにも応じない。追加の要求は、被害を広げるための手口です。
- 記録を保存する — 相手とのやり取り(メッセージ・プロフィール)、振込の控えや明細、投資サイトの画面などをスクリーンショットで残す。相談や、このあとの手続きの材料になります。
- 日本国内の金融機関の口座に振り込んだ場合は、すぐに警察と振込先の金融機関へ — 「振り込め詐欺救済法」により、犯罪に使われた口座が凍結され、残っているお金が「被害回復分配金」として支払われる可能性があります。金融庁は、SNS型投資・ロマンス詐欺も、預金口座への振込みで被害にあった場合は対象になるとしています。ただし、犯人が口座からお金を引き出してしまうと支払いは受けられず、全額は戻らないこともあります。だからこそ、1日でも早い連絡が大切です。
- 暗号資産や海外の口座に送ってしまった場合も、記録を持って相談を — 振り込め詐欺救済法の対象は預金口座への振込みを使った被害で、暗号資産での送金は含まれません。暗号資産で送ったお金は取り戻すのが難しく、国民生活センターも、SNSで勧誘される詐欺的な暗号資産の投資話は「被害回復は困難」と注意を呼びかけています。海外の口座に送った場合も含めて、送金の記録を残したうえで、早めに警察へ相談してください。
- 警察・相談窓口へ — 警察相談専用電話 #9110 か最寄りの警察署、消費者ホットライン 188 に相談する。被害額や状況を、保存した記録とともに伝えます。
ここで気をつけたいのが、二次被害です。
返金される保証はありません。それでも、早く動くほど、残せるものは多くなります。
相談先——一人で抱え込まないで
不安を感じた時点で、被害に遭う前でも相談できます。「これくらいで相談していいのかな」とためらう必要はありません。以下はいずれも日本国内の窓口です。
- 消費者ホットライン 188(いやや) — 最寄りの消費生活センターなどを案内してくれる、全国共通の番号です。
- 警察相談専用電話 #9110 — 犯罪や事故に当たるか分からないけれど警察に相談したいときの番号で、電話をかけた地域の警察の相談窓口につながります。
- 国民生活センター — 消費者トラブルの注意喚起を公表しています。海外の事業者とのトラブルは、越境消費者センター(CCJ)でも相談を受け付けています。
- 緊急のときは、迷わず 110番(警察)へ。
一人で抱え込むほど、判断は狂いやすくなります。おかしいと感じたら、家族や友人、そして公的な窓口に、早めに声を上げてください。それが、自分も、そして次に狙われるかもしれない誰かも守ることにつながります。
まとめ——見分けるのは「国籍」ではなく「行動」
ロマンス投資詐欺は、恋愛感情と「一緒に増やそう」という言葉を組み合わせた、巧妙な手口です。でも、流れと危険サインを知っていれば、入口で止められます。覚えておきたいのは、たったひとつ——会ったこともない相手との「お金・投資」の話には乗らない。
相手を国籍で疑う必要はありません。誠実で素敵な人はたくさんいます。見分けるべきは、相手が誰かではなく、やり取りの中で「お金」や「見慣れない投資サイト」へ向かおうとするかという行動です。この一点さえ押さえておけば、出会いそのものを怖がることなく、安心して前に進めます。出会い方の選び方は韓国人男性との出会い方で、安全に会うための準備は安心・安全に出会うためにで紹介しています。あわせて読むと、より安心して出会いを楽しめます。
よくある質問
ロマンス投資詐欺とは何ですか?
恋愛感情で信頼を築いたあと、「一緒に投資しよう」と偽の投資話へ誘導してお金をだまし取る手口です。警察庁は「SNS型ロマンス詐欺」「SNS型投資詐欺」として注意を呼びかけており、暗号資産やFXなどへの投資を勧める手口が報告されています。
ロマンス投資詐欺は、どこで見分けられますか?
「一緒に増やそう」と投資へ誘う、見慣れない取引サイトやアプリを勧める、最初は少額で儲かった体験をさせる、出金時に手数料や税金を要求する、振込先が個人名義の口座——これらが典型的な危険サインです。お金を送る前に、その業者が金融庁の登録を受けているかも確かめましょう。
画面上ではお金が増えているのに、なぜ詐欺なのですか?
偽の投資サイトは数字を自由に操作でき、増えているように見せかけられます。実際には資金は相手に渡っており、出金しようとすると次々に理由をつけて引き出させないのが特徴です。
お金を送ってしまったら、どうすればいいですか?
まずやり取りを止め、会話や振込の記録を保存してください。日本国内の金融機関の口座に振り込んだ場合は、すぐに警察と振込先の金融機関へ連絡を。振り込め詐欺救済法により、口座に残っているお金が支払われる可能性があります。暗号資産で送った場合は取り戻すのが難しいため、記録を持って早めに警察へ。海外の口座に送った場合も、まず警察に相談してください。#9110や消費者ホットライン188(いずれも日本国内)も利用できます。
相手が韓国人なら詐欺の心配はありますか?
詐欺は国籍で決まりません。詐欺師は韓国人を含めどんな国籍も装います。国籍で疑うのではなく、「お金・投資の話が出るか」「見慣れない投資サイトなどへ誘導されるか」という行動で見分けることが大切です。
参考・出典
- SNS型投資詐欺(警察庁 SOS47特殊詐欺対策ページ)
- SNS型ロマンス詐欺(警察庁 SOS47特殊詐欺対策ページ)
- ロマンス投資詐欺が増加しています!-その出会い、仕組まれていませんか?-(国民生活センター 2022年3月3日公表)
- SNSで勧誘される詐欺的な暗号資産の投資話 被害回復は困難です(国民生活センター 見守り新鮮情報 2025年12月11日公表)
- 振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ(金融庁)
- 「振り込め詐欺救済法」に基づき、振り込んでしまったお金が返ってくる可能性があります。(政府広報オンライン)
- 無登録業者との取引は要注意!! ~無登録業者との取引は高リスク~(金融庁)
- 投資系トラブルの二次被害にご注意ください!(消費者庁)
- 警察に対する相談は警察相談専用電話「#9110」番へ(政府広報オンライン)
- ロマンス詐欺について知っておくべきこと(米国連邦取引委員会 消費者向け情報・補足)