韓国の恋愛記念日の代表は、付き合った日から数える100日(백일・ペギル)や1周年、毎月14日の「恋人の日」(2月のバレンタインデー、3月のホワイトデー、4月のブラックデーなど)、そして11月11日のペペロデーです。日数で節目を数える感覚は、知っておくだけで会話のきっかけになります。
ただ、記念日をどれだけ大事にするかは人それぞれで、全部をきっちり祝うカップルばかりではありません。ここでは、知っておくと楽しい記念日をカレンダー風に紹介します。
なぜ韓国は「記念日」が多いと言われるのか
日本にも記念日はありますが、韓国は「節目を数える」感覚がちょっと細かいと言われます。背景には、関係を目に見える形で確かめたいという気持ちがあるようです。何日続いたかを数え、お菓子を贈り合い、写真を残す——それは「私たち、ちゃんと続いているね」を実感するための、ささやかな儀式のようなもの。だから記念日の多さは「面倒な決まりごと」というより、愛情表現のバリエーションが豊富だと捉えると、ぐっと楽しく見えてきます。とはいえ、ここでも個人差は大きく、記念日にこだわらないカップルも普通にいます。「こうしなきゃダメ」ではなく、「こういう楽しみ方の引き出しがある」くらいに知っておけば十分です。
付き合った日から数える「○○日」記念日
韓国では、付き合った日を1日目として日数を数え、節目をお祝いする人が多いといわれます。日本だと「○周年」で数えることが多いのに対して、韓国では日数で区切るのが特徴的です。
- 22日(투투데이・トゥートゥーデー)— 付き合って22日目。英語の「two two day」から来た呼び名です
- 100日(백일・ペギル)— 付き合って100日目。最初の大きな節目として知られています
- 200日 / 300日 — 100日ごとに区切って祝うことも
- 1周年(1주년・イルチュニョン)— 付き合って1年。こちらも大切にされる節目です
- 1000日 — さらに先の節目として祝うカップルもいます
なかでも有名なのが100日です。最初のいちばん大きな山場として知られ、ちょっとしたプレゼントを用意したり、いつもより特別な場所で過ごしたりする人もいます。とはいえ「絶対に豪華にしなければ」というルールはなく、ケーキひとつ、メッセージひとことでも立派なお祝いになります。
どの節目をいちばん大事にするかは、人によって違います。2015年に韓国のアルバイト求人サイトalbamonが大学生867人(うち交際経験のある735人)に行った調査では、「祝わないとさみしい記念日」に1周年を挙げた人(40.5%)が、100日(15.4%)を大きく上回りました。
数え方とアプリ
「いつから1日目なの?」は最初のつまずきポイント。一般的には付き合った当日を1日目として数えます。
たとえば2026年10月2日に付き合い始めたなら、その日が1日目。100日目は99日後の2027年1月9日です。韓国では「9月17日に告白すれば、100日目がちょうどクリスマス」という話題がニュースになったこともあります。
ただし、翌日を1日目として数えるカップルもいて、その場合は1日ずれて1月10日になります。「告白した日にする?」「初デートの日にする?」と起点が分かれることもあるので、最初に「いつから数える?」とすり合わせておくと安心です。この会話自体が、距離を縮めるいいきっかけになります。
付き合った日からの日数を自動で数えてくれるカップル向けアプリを使うカップルもいて、「今日で○○日だね」と通知が届くものも。共有アルバムやチャット機能が付いたものもあり、二人の記録帳のように使われています。数字に追われる必要はありませんが、「覚えていてくれた」と感じられるのは、やっぱりうれしいものです。逆に言えば、アプリに頼らず「ふと気づいて声をかける」のも、それはそれで素敵な形。道具はあくまで補助だと考えておくと、肩の力が抜けます。
毎月14日の「恋人の日」
韓国では、毎月14日に「○○데이(○○デー)」と名前のついた日があります。1990年代ごろから広まった民間の記念日で、国の記念日ではありません。お店の「デー・マーケティング」とも結びついています。1月から12月まで並べると、次のとおりです。
| 月 | 名前 | どんな日か |
|---|---|---|
| 1月 | 다이어리데이(ダイアリーデー) | 恋人同士で日記帳を贈り合う |
| 2月 | 밸런타인데이(バレンタインデー) | 女性から男性へチョコを贈って気持ちを伝える |
| 3月 | 화이트데이(ホワイトデー) | 男性から女性へキャンディを贈って気持ちを伝える |
| 4月 | 블랙데이(ブラックデー) | 恋人がいない人同士でジャージャー麺を食べる |
| 5月 | 로즈데이(ローズデー) | 恋人同士でバラを贈り合う |
| 6月 | 키스데이(キスデー) | 恋人同士でキスをする |
| 7月 | 실버데이(シルバーデー) | 恋人同士で銀の指輪などを贈り合う |
| 8月 | 그린데이(グリーンデー) | 恋人同士で森林浴をして暑さをしのぐ |
| 9月 | 포토데이(フォトデー) | 恋人同士で記念写真を撮る |
| 10月 | 와인데이(ワインデー) | 恋人同士でワインを飲む |
| 11月 | 무비데이(ムービーデー) | 恋人同士で映画を見る |
| 12月 | 허그데이(ハグデー) | 恋人同士でハグをする |
呼び名や中身は資料によって少しずつ違い、たとえば12月14日を「머니데이(マネーデー)」とする記事もあります。
バレンタインとホワイトデーは日本にもありますが、韓国では「女性から → 男性からお返し」という流れがよりはっきりしているのが特徴だと言われます。そして面白いのがブラックデー。2月・3月でご縁がなかった人たちが集まり、黒いソース(ジャージャー麺など)の料理を一緒に食べて気楽に過ごす——という、独身を笑い飛ばすような明るいイベントです。深刻ぶらずにネタとして楽しめるのが、いかにも韓国らしいところです。
ただ、実際にどれだけ祝われているかは日によってまちまちです。2015年に韓国の就職情報サイトJOBKOREAが成人567人に行った調査では、「○○デー」を祝うと答えた人が挙げたのは、ペペロデー(72.8%)・バレンタインデー(72.4%)・ホワイトデー(56.7%)が上位。ブラックデー(11.0%)やローズデー(10.0%)は1割ほどでした。
「全部覚えなきゃ」と気負わず、まずはバレンタイン・ホワイトデー・ブラックデー+次に紹介するペペロデーを押さえておけば、会話のネタとしては十分です。ペペロデー(11月11日)
数字の「1」が4つ並ぶ11月11日は、細長いお菓子を贈り合うペペロデー(빼빼로데이)として知られています。棒状のお菓子が「1」に見えることから生まれた、と言われる遊び心のあるイベントです。お菓子メーカーにちなんだ商業的な面もありますが、いまでは友達や恋人、職場の人とちょっとしたお菓子を交換する、にぎやかな日として広く親しまれています。
この日のいいところは、重すぎないこと。コンビニで買える数百円のお菓子で成立するので、気になる人にも渡しやすく、もらったほうも気軽に受け取れます。「プレゼントというほどでもない、でも気持ちは伝わる」——そんな絶妙なきっかけとして、片思い中の人にも使い勝手のいい日です。恋人同士なら、いつものお菓子に手紙を一枚そえるだけで、ぐっと特別感が出ます。
記念日に、何をする?——気軽な楽しみ方
「記念日が多い」と聞くと身構えてしまいますが、毎回豪華にする必要はまったくありません。実際は、肩の力を抜いた過ごし方が大半です。お金や手間をかけることが目的ではなく、「この日を二人で覚えていた」こと自体がお祝いになります。
- 短いメッセージで「今日で○○日だね」と伝える
- いつもより少しだけ特別なごはんやカフェに行く
- 小さなプレゼントや、二人の写真を一枚残す
- 手書きのメッセージカードを一枚そえる(高価なものより印象に残りやすい)
- 何もしない日があってもいい——「今日は気づいただけで十分」も立派なお祝い
プレゼントを選ぶときも、値段より相手をちゃんと見ていたかが伝わるものがおすすめです。前に「これかわいい」と言っていた小物、好きな飲み物、二人で行った場所の写真——そうした「ちゃんと覚えていたよ」が見えるものは、金額に関係なく心に残ります。逆に、毎回ハードルを上げてしまうと続かなくなるので、二人にとって心地よいラインを探すのがいちばんです。記念日は競争ではないので、「去年より豪華に」と頑張りすぎないこと。
ちなみに、お祝いの「定番」を知っておくと選びやすくなります。よくあるのは、ケーキやちょっといいごはん、花、二人で撮るプリクラのような写真、そして手紙やメッセージカード。韓国ではプリクラ(네컷사진・ネコッサジン=4カットの写真)を二人で撮って、その日の記録として残すカップルもいます。物が増えるのが苦手なら、「写真だけ残す」「おいしいものを食べる」といった形に残りすぎない祝い方を選ぶのも手。お祝いのスタイルに正解はないので、二人の性格に合うものを少しずつ見つけていけば十分です。
ざっくり「年間カレンダー」で見てみる
ここまで出てきた記念日を、一年の流れでゆるく並べてみましょう。これを全部やる必要はまったくありません。
- 毎月14日 「○○デー」(なかでも祝う人が多いのは2月のバレンタインと3月のホワイトデー。4月のブラックデーは会話のネタにも)
- 11月11日 ペペロデー(細長いお菓子を交換)
- そして一年を通して、付き合った日から数える「○○日」記念日(22日・100日・1周年など)が、カップルごとのタイミングで入ってきます
こうして並べてみると、「毎月何かある」ように見えても、実際に多くの人が祝うのはその一部だと分かります。あとは二人の記念日が中心。だから身構える必要はなく、自分たちの100日や1周年を軸に、気が向いたら季節のイベントに乗っかる——くらいの感覚で十分楽しめます。日本のクリスマスやバレンタインのノリに近い、と思えば気が楽かもしれません。
カップルリング・カップルアイテムで「見える化」する文化
韓国では、関係を目に見える形で表す커플템(コプルテム=カップルアイテム)の文化も親しまれています。代表的なのが커플링(コプルリン=カップルリング)。100日や記念日に合わせて、おそろいの指輪を用意するカップルもいます。指輪以外にも、おそろいのスマホケース、Tシャツ、スニーカーなど、さりげなく「ペアであること」を共有するアイテムはさまざまです。
ただし、これも「やらなきゃいけない」ものではありません。おそろいが照れくさい人もいれば、さりげないものがいい人もいます。大げさなペアルックは苦手でも、色だけそろえる、小物だけそろえる、という軽いやり方でも十分。二人が心地よい範囲で取り入れるのがコツです。「重い」と感じるなら、取り入れないのもひとつの選択です。
日韓・遠距離での記念日の楽しみ方
会える距離にいないときでも、記念日は十分に楽しめます。むしろ、離れているからこそ「覚えていてくれた」という一言が、ふだん以上に大きく響くこともあります。
- 同じ時間にビデオ通話をつないで、画面越しに乾杯する
- 一緒に同じ映画を再生して、感想をチャットで送り合う
- メッセージや写真で、その日のことをこまめに共有する
- フードデリバリーやギフトを相手の街に送って、離れていても一緒に味わう
- 次に会えたときに「あのときの分」も合わせて一緒にお祝いする
距離があると「ちゃんとお祝いできなかった」と落ち込みがちですが、形が完璧でなくても気持ちは伝わります。むしろ「次に会ったらこうしようね」と先の約束を一緒に描くこと自体が、遠距離ならではの楽しみ方。形にこだわりすぎず、できる範囲で気持ちを交わせると、関係も穏やかに続いていきます。
記念日を「重い」と感じたら
ここまで読んで「数が多くて大変そう…」と感じた方へ。正直に言うと、全部やらなくて大丈夫です。2015年の調査でも、そう感じる人は少なくありませんでした。先ほどのalbamonの大学生調査では、「負担に感じる記念日」として200日・300日など100日単位の記念日(35.4%)、ローズデー・シルバーデーなど毎月14日の記念日(32.9%)、22日目の투투데이(25.0%)が挙がっていました。
記念日が多いのは、関係を目に見える形で大切にしたいという気持ちの表れでもありますが、それを負担に変えてしまっては本末転倒。背景にある価値観は韓国人男性の恋愛観・本音でも触れています。
もし負担に感じるなら、「全部は難しいけど、これは一緒にやりたいな」と素直に伝えてみてください。我慢して全部に合わせるより、二人で「どれを大事にするか」を選ぶほうが、ずっと長続きします。たとえば「100日と1周年だけはちゃんとやろう」「毎月14日は気が向いたら」のように、二人だけのルールを作ってしまうのが賢いやり方。大切なのは記念日の数をこなすことではなく、二人が心地よくいられることです。
伝えるときのコツは、相手のやり方を否定しないこと。「記念日いらない」と突き放すと寂しく聞こえてしまうので、「こういうのは苦手だけど、あなたが大事にしたい日は一緒にやりたい」と、気持ちはちゃんと受け取っている姿勢を見せると角が立ちません。文化の違いは、どちらが正しいかを決めるものではなく、二人のちょうどいい真ん中を探していくテーマ。記念日も同じで、お互いの感覚をすり合わせながら、二人が続けやすい形を見つけていけば十分です。
気になる人ができたら、「韓国って記念日多いって本当?」と聞いてみるところから始めてみてください。きっと、その人なりの「大事にしている節目」が見えてきます。韓国の恋愛文化をもっと知りたい方は韓国の文化・トレンドもどうぞ。
よくある質問
韓国の記念日は、全部お祝いしないといけませんか?
いいえ。記念日が多いのは事実ですが、全部を完璧にやる必要はありません。二人でどれを大事にするか決めれば十分です。
付き合って100日はどうやって数えますか?
付き合った日を1日目として数えるのが一般的です。たとえば10月2日に付き合い始めたなら、100日目は翌年の1月9日。翌日から数えるカップルもいるので、二人で起点をそろえておくと安心です。
遠距離でも記念日を楽しめますか?
メッセージや写真、ビデオ通話など、会えなくてもできることはたくさんあります。形より「覚えていてくれた」という気持ちが伝わることのほうが大切です。
参考・出典
- 韓国人と100日(ペギル)|韓国文化と生活|KONEST
- ペペロデーとは何?(Weblio辞書)
- 오늘은 포토데이… 매달 14일은 '○○데이' 왜 생겼을까(国民日報、2017-09-14)
- 12월 14일 '허그 데이' 뜻, 소중한 사람끼리 포옹하는 날… 그외 기념일은?(京仁日報、2018-12-14)
- 6월14일은 키스데이, '데이마케팅' 종류 어디까지?(イーデイリー、2013-06-14)
- 로즈 데이|우리말샘(国立国語院)
- 블랙 데이|우리말샘(国立国語院)
- 투투 데이|우리말샘(国立国語院)
- 각종 Day 중 가장 많이 챙기는 날은? '빼빼로 데이'(イーデイリー、2015-11-06/JOBKOREA調査)
- 연인 사이에 챙기지 않으면 섭섭한 기념일 1위는?(イーデイリー、2015-01-23/albamon調査)
- 9월17일은 '고백데이'…크리스마스에 사귄지 100일째(ソウル新聞、2016-09-17)
- 정준하 니모 데이트 장소 공개, 1000일 기념파티 연 장소(ソウル新聞、2014-02-14)